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ベーシックインカムにソックリ?フィンランドの社会保障「非雇用者手当」について解説!


「ミスタープロブロガー」「新鋭アフィリエイターの星」のお二人のスポンサーリンクです!
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こんにちは、妻の母国フィンランドでプロブロガー&プロゲーマーを目指すCaptainJack(@CaptainJacksan)です。

僕は現在(注: 6月30日まで)フィンランドでフィンランド語の語学学校に通う学生なんですが、国から約774ユーロの非雇用者手当+家賃補助の113ユーロ、合計887ユーロ(9万9000円)を受給しています。

なんか数字ばっかりでピンと来ないですよね。わかりやすく言いましょう。学校に通ってるだけで、国から毎月10万円もらってます

前の記事でも書きましたが、これだけあればフィンランドで結構豊かに暮らせるんですよ。フィンランドは物価が高いイメージあると思いますが、ヘルシンキの家賃が高いことを除くと、実は全然そんなことないんです。実際、毎月200〜300ユーロくらいあまりますしね。

は? という声が聞こえてくるのがわかります。

それでは、早速非雇用者手当について解説していきましょう!

 

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フィンランドの非雇用者手当とは

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実際に支給された非雇用者手当の振込済み画面。学生のため1日あたり約9ユーロの割増手当が加算され、この月の支給額は774ユーロとなっています。

 

työttömyyspäivärahaと呼ばれるフィンランドの非雇用者手当は、18歳以上で就労していないフィンランドの居住者に対して支給される社会保障であり、失業者だけでなく学生や在留資格のある外国人にも支給されるのが大きな特徴です。

支給額は家族構成、居住地、学校に通っているかどうかなど様々な要因により決定されるため、人によって受け取る額はまちまち。

メリットは、受給資格が緩く受給可能期間も長いため、失業するのが日本ほど怖くなくなること。デメリットは、生活を守るための非雇用者手当が逆に働く意欲を削いでしまうケースが多いことです。

非雇用者手当は、いま世界中が注目しているフィンランドの世界初の国家主導のベーシックインカムの社会実験を語る際に必ず言及される制度であり、それもネガティブな文脈で語られることが多いです。制度自体は最高にありがたいんですけどね。

なので、理解しておくとベーシックインカムの話題が出た時にドヤ顔できるかもしれません。後述します。

 

 

学校行ってるだけで月10万円って・・・どんだけ〜!

 

 

 

失業保険、生活保護、ベーシックインカムとの違い

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フィンランドの非雇用者手当を、日本の失業保険、生活保護、そしてフィンランドで社会実験中のベーシックインカムとの違いをまとめた表を作ってみました。

わかりやすく言うと、フィンランドの非雇用者手当は日本の失業保険の学生も受給可能なカジュアルかつ長期支給版であり、ベーシックインカムは仕事を見つけても受給額が減らない永年支給型の非雇用者手当です。

原語のtyöttömyyspäivärahaを非雇用者手当と和訳しているように、特に学生が受給できる点において日本の失業保険とは大きく異なります。日本では学生は失業者ではないですし、ごく一部の優秀な学生が受給できる支給型奨学金を除き、学生に対し支給される国の制度はないですからね。

 

受給対象

18歳以上で就労していないフィンランドの居住者(学生、外国人を含む)が受給対象となります。

 

受給額

各人の状況によりますが、国内で人口7番目の街ポリの市街地に住む32歳既婚学生の僕は、「約774ユーロの非雇用者手当」+「家賃補助の113ユーロ」の合計887ユーロ(9万9000円)を受給しています。

調べていませんが、子供がいるともっと多いでしょうし、シングルマザーの場合はさらに多いと思われます。学生でなくなると学生手当分がなくなるため、合計650ユーロ(7万8000円)程度になります。

 

メリット

非雇用者手当のメリットは、失業者や学生の生活をトコトン保障し、再就職を支援してくれる点にあります。

例えば、失業者が新しいスキルを学ぶために3年間の職業専門学校に通ったとしましょう。その場合、学生である間は非雇用者手当+学生特別手当をもらい続けることができます。

学生でありながら生活に不自由しない金額を受給できるのは、再就職を目指す全ての人とって最高の待遇であると言っても過言ではないでしょう。日本でもハローワーク経由の職業訓練はありますが、ここまでの支援はないのでは。社会福祉国家フィンランドの本気が伺えます。

なお、フィンランドには日本と違いバイトという働き方がほぼ存在しないため、基本的に仕事と言えば無職かフルタイムかの二択です。フルタイムの仕事を見つけるのも簡単ではないため、この手厚い保障の裏には、無職の間の生活を保障しないと大変なことになるからという現実があると思われます。

 

 

さすがフィンランド、社会保障ハンパない

 

 

 

デメリット

この優れた非雇用者手当にも、致命的な問題があります。非雇用者手当の問題と言うよりも、仕事全体のパイの問題かもしれませんが・・。

 

仕事する気がなくなる

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そう。仕事する気がなくなります。そらなって声が聞こえますが、状況は深刻です。

理由は明確で、小国フィンランドでは給料のいい仕事を見つけるのは簡単でなく、かつその間に紹介される繋ぎの仕事があまりに薄給で、働いても収入が大きく変わらないから。

フィンランドにはTE Toimistoと呼ばれるハローワーク的機関があり、仕事が見つかるまでの間、時短で出勤日も融通が効く繋ぎの仕事を紹介してくれます。

ところが、その給料は本当に微々たるもので、なんと非雇用者手当の受給額と比較して200ユーロ(2万5000円)くらいしか増えません

信じられないと思いますので掘り下げます。1日6時間 x 週5日働いたとすると、労働時間は1ヶ月でおよそ120時間ちょっと。いままで非雇用者手当で生活できる程度の額を受給していたのが、120時間働いて給料2万5000円アップにしかならない仕事を紹介されるわけです。これは時給にして200円です。誰がこの条件で働きたいと思うでしょうか。

すでに働かなくてもそこそこ豊かに暮らしているんですから、週5日6時間も働いて2万5000円しか収入が変わらないのなら、何もしないほうがいいと思うのは当然ですね。または、非雇用者手当の支給が打ち切られない程度最低限の期間(1ヶ月〜数ヶ月程度)だけ働いてすぐやめようと思うのは自然なことです。

スキルや学歴、仕事の絶対数不足や意欲不足などで就業しても高給が望めない場合、あえて働かないというのはフィンランドにおける現状の社会保障制度下では極めて合理的な選択なんです。

 

ニューズウィークの記事にも同じことが書かれています。

ヨーロッパ諸国の社会保障においては、その制度があまりに複雑で多層的であるため、社会保障を受けている失業者がその恩恵を受けられなくなってしまうという不安から、低収入あるいは短期の仕事に就きたがらなくなってしまうという問題が起こっていた。

 

ベーシックインカム、フィンランドが試験導入。国家レベルで初 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 

労働意欲が消滅していく

仕事をしない日が長く続くと、もともとなかった労働意欲がさらに失われ、最終的には究極に働きたくなくなります。人間は現状維持の天才なので、働いてない期間が長く続くと、新しく働き始めようとしても環境の変化が辛く感じるようになるんですよね。

良い給料をもらえる仕事に就くのもそう簡単ではなく、非雇用者手当の受給が途切れないよう最低限の労働を行いながら手当で生活というスタイルが多く見られるのはそのためです。

 

 

独立起業を阻害する大きな要因である

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フィンランドでは、企業の代表は非雇用者手当を受けられません。失敗した時に本来受けられていたはずの非雇用者手当を受けられないのは、起業に挑戦しようとする全ての人にとって大きな足枷となります。

実は日本でも会社の代表として登記されてる者は失業手当を受け取ることができないのですが、日本の失業保険と違い、フィンランドの非雇用者手当は途中で数ヶ月の労働を挟む限りほぼ無期限で受給できる手当であり、支給条件もゆるい上、再就職のため職業訓練校や大学(※無料です)に通った場合にも生活に必要な額が支給されるという、強力なライフラインです。

このメリットを手放したくないため、アイデアはあっても結局起業はしなかったというケースは少なくないはず。これでは国の経済成長を阻害していると思わざるを得ませんし、フィンランドでも実際にそのように考えられているようです。

 

フィンランド社会保険庁事務所Kelaの法定給付庁の代表、マルユッカ・トゥルネン(Marjukka Turunen)氏は、この試みは少なくとも起業家志望者にビジネスをスタートさせる大きなきっかけを与えるだろうと予想する。今日のフィンランドの事業主は廃業してしまったら失業手当を受け取れないため、起業は大きなリスクとなっている。

 

現行の制度は、何かにチャレンジし、人生から何かを得ようとする人たちにかなりマイナスなものになっています。それがどれだけ小さなことでもです」と、同氏は語る。

 

フィンランドが「就職しても受給できるベーシックインカム」を試験導入 | BUSINESS INSIDER JAPAN

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。非雇用者手当は素晴らしい制度であり、移住してきたところの僕は超ウルトラハイパー助かっていますが、一方でフィンランド全体で見た場合、仕事を見つけるのが簡単でない状況と相まって、働きたくない人を増やす結果になっているのも事実。

僕はフィンランドにおけるベーシックインカムの本格導入を強く支持していますが、それはこの理由によるものです。働いたら減額されるのにたいした仕事はないんですから、働きたいと思う方が不思議ですからね。笑

 

 

というわけで、働いても減額されないベーシックインカムの採用を首を長くして待ってます。フィンランド経済活性化の原動力になるはず!

 

 

ベーシックインカム始まったらいいね〜 楽しみ!

 

 

 

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